“What is fascia? … This web of connection travels through the entire body. This is a new idea.
It’s not that fascia wasn’t known before; it’s been known for a long time. But nobody thought there was any great point in studying fascia.
You may think it odd, but there are other such stories in the history of medicine.“
— * Ida Rolf
© Fascia Research Society. Photography by Thomas Stephan.
[意訳]
筋膜とは?(中略)このつながりのネットワークが全身をめぐっている。これは新しい考え方なのです。
筋膜の存在自体はずっと以前から知られていました。でも、誰も筋膜の研究に意味があるとは思わなかったのです。
変だと思うかもしれませんが、医療の歴史の中にはこんな話の数々があるのです。
ロルフィング®ではFascia=筋膜という細胞外の空間を満たしている組織を通じて全身に働きかけます。
字面から筋肉の膜のように解釈されがちですが、実際にはクモの巣状の組織で、筋肉・骨・内臓・血管・神経・脳に至るまであらゆるものを覆い、形作り、センサーとしても機能しています。
骨格、筋肉、内臓などの内容物を取り除いて筋膜だけを残したとすると、隅々まで張り巡らされた構造が身体の形を留めることから、姿勢の器官ともよばれます。
筋膜が全身の構造を形作っていることと、「圧をかけると動く」性質に注目したのがアイダ・ロルフ博士であり、ロルフィングの概念の重要な部分です。
生きている筋膜の様子
Fascia is the organ of posture….The body is a web of fascia. A spiderweb is in a plane, this web is in a sphere. — * Ida Rolf
意訳:筋膜は姿勢の器官です。(中略) 身体は筋膜のネットワークです。クモの巣は平面的ですが、筋膜のネットワークは三次元です。
Tensegrity
写真はテンセグリティモデル。テンセグリティTensegrityとはTension(張力)とIntegrity(統合)を組み合わせた造語。見ると分かるように3対の棒がバランス良く立体的に浮いていますが、形を決めているのは棒ではなくゴムの張りです。上の動画で見る筋膜と様子が似ていると思いませんか?
1ヶ所ゴムの長さを変えてみると形が崩れるのが分かりますね。
人の身体も姿勢のバランスを決めているのは筋膜の張りです。
生きている筋膜は水分に満ちて滑らかですが、日常での動きのパターンによって、筋膜が縮んだり、よじれたり、癒着して分厚くなったりすると歪みが生じます。
試しにピッタリした全身タイツを何重にも着ていると想像してみてください。重なったタイツのどこか1ヶ所でもズレたら…?着心地は言うまでもなく、動きも制限されますよね。
国際筋膜学会。世界各国の筋膜についての研究の第一人者が名を連ねており、3年に一回学会を開いているほか、各地でセミナーが催されています。
https://fasciaresearchsociety.org/
テンセグリティの考案者 Kenneth Snelson